KOTOMIN 「DENSHA NO JIGOKU」

真っ赤な電車が停まるプラットホームに、少女と猫が立っています。行き先は「地獄」。コミカルでありながら、どこか不可思議な静けさを感じさせる光景です。太い輪郭線と大胆な配色が生み出すリズムは、版画特有の力強さを持ちながらも、どこか親しみやすい。煙のような白い形が画面に漂い、現実と幻想の境界を曖昧にしています。日常的な風景の中に潜む不条理をユーモアで包み込み、「旅」や「人生」といった普遍的なテーマを軽やかに描き出した作品です。見るたびに新たな物語が立ち上がります。

この作品を飾ると、空間に遊び心と独特の存在感が生まれます。赤を基調とした力強い色調は、部屋の印象を一瞬で明るくし、視線を惹きつけます。ポップでありながら深いテーマ性を秘めており、飾る人の感性を引き立てる知的な魅力を持っています。シンプルな線と構図が現代的なインテリアにもよく映え、アートのある暮らしを軽やかに演出します。ユーモアと哲学が共存するインテリアアートとして、日々の生活に小さな物語と深呼吸のような余白を与えてくれる一枚です。